パンと古武術の関係 ~払捨刀~(惣角伝小野派一刀流)
- 白神アグリサービス「風丸農場」直送(いつもありがとうございます!)
- 発酵種は、熊本ろのわ有機小麦でおこした自家製ルヴァンです
余計なものが入らないパン
さて、「なるべく余計なものが入っていない」日常の糧としてのパンを食べていただきたく、当店ではつくってお出ししています。
冒頭写真のライ麦パンだと、
・ライ麦(全粒粉)
・塩
・天然水
・パン種(小麦と水だけで起こした発酵種)
これだけの、必要最小構成でやってます。
「素材をいかすパン」をつくるべく試行錯誤をかさねて、
そぎ落としてそぎ落とした結果、こうなった――ということがあるのですが、
これまで稽古してきた「剣術」の影響も少なからずあります。
とくに思いかえされるのが
小野派一刀流の「払捨刀(ほしゃとう)」です。
払捨刀
数年前の一時期、小野派一刀流という剣術の稽古をつけていただいていました。
(惣角伝小野派一刀流)
小野派一刀流では、その中に「払捨刀」という型があります。
ひとことでいうと「多敵想定」の剣の技法です。
相手のふところを抜けるみたいにして、
「払捨」の字のごとく、刀を「捨てる」ような独特な動きで斬撃します。
流派の開祖が、複数敵に包囲されたときに編みだした技だと聞いています。
絶体絶命!なシチュエーションで「刀を捨てる」=払捨、という解がみちびきだされたことが、とても興味深いと思っています。
捨てることで、得られるもの。
そぎ落とすことで、得られるもの。
そぎ落としたパンをつくりながら、
(パンの素材だけにかぎらず)ほんとうに必要と思われるものだけに、一点突破でフォーカスすることの大切さを感じています。
さまざまな「情報」が
まるで洪水みたいにあふれては襲いかかってくる昨今だからこそ、
余計につよく思うのです。
Webショップ「creema」(クリーマ) からパンをご覧いただけます。