みおパンのパン

門司港「天然酵母みおパン」のブログ。国産小麦と自家製酵母・ルヴァン種でつくるパンのお店です。

「なんだこれ」とパンの関係 ~宇部ときわ公園 野外彫刻

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宇部ときわ公園(山口)の、野外彫刻ひろば

 

一見すると「なんだこれ?」な彫刻ばっかりに見えますが、

この「なんだこれ」は、パンづくりにおいても

非常に大事なものと考えています。

 

 

どちらかといえば

「わかりやすい作品」「わかりやすい味」のような、

・制御しやすいもの

・一見ハッキリとしているもの

・再現性の高いもの

のほうが、現代社会のなかでは求められがちです。

 

ところが、言葉では説明できない「なんだこれ」の部分には、

ものごとの真に大事な要素が、おうおうにして隠されています。

 

これは、日本酒の生酛(きもと)づくりから学んだことです。

 

 

パンにしても日本酒の酒づくりしても、

工業酵母を使うことで発酵スピードを早める「速醸」(そくじょう)は可能です。

そうすることで生産性が上がる――これはメリットかもしれません。

 

しかし、その結果として失われてしまうものがあります。

 

・「山おろし」という手間暇かかる工程まできっちりおこなう、本来の「生酛づくり」により仕込まれた日本酒

・「天然酵母」や「ルヴァン」による乳酸発酵の工程を経た、昔ながらの製法でつくられたパン

など、しっかりと発酵をまっとうした食べ物・お酒には、

発酵に関する菌や酵素が多くかかわってきます。

群雄割拠の菌たちのなかにあって、力強い発酵菌が生きのこっていく。

そんな菌たちによって、結果、しなやかで力強く醸されていくのです。

しかし速醸では、これらの影響が少ないのです。

 

・きっちり発酵したもの

・そうでないもの

 

これらを食べ飲みくらべると、

ながく食べ飲みできるのは、やはり前者「きっちり発酵したもの」です。

そう判断するのは、身体が、です。

それは、表面的な味はなんとでもなるのかもしれないですが、

味を下支えする部分・土台となる部分こそが、

身体にとってはより重要なウエイトを占めているからです。

(海面に見える氷山の一角が、総体のほんの一部分だけにしか過ぎないのと同じように)

 

じゃあ、その下支えの部分って一体なにか?というと、

きっちりとした発酵により作られた部分であり、

これが本質の部分であり大事なものなのですが、わかりにくいのです。

言葉で説明するのがむずかしいのです。

でも身体は旨いとわかる。

血となり肉となるべきものだとわかる。

 

この部分こそが、「なんだこれ」なのです。

 

けっして奇をてらったり、ややこしくしたりするわけではなく、

手間暇かけることできちんと育ってもらうこと。

ここから、大切な「なんだこれ」の素養が生まれてくるわけです。

 

これは彫刻(芸術)でも食でも同じことでしょう。

 

 

 

ps.

「生酛」の記事はこちらにも書いてます。

 

 

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